リングの全周にミルのある切削は、リングの縦置きではきれいに切削をすることができませんので横置きを選択します。
今回ご依頼をいただいたリングは、さらに大きな石枠がありましたので難易度の高い切削になりました。
横置きリングの切削では、33mm×40mmのロッドワックスをベース(M615装置使用)にφ27×L20mmのロッドワックス(※1)を接続して切削することが多いのですが、今回のリングはリング内径を中心に置くと石枠がφ27mmからはみ出してしまうことがCAD上シミュレーションで確認できましたので、ワックスを2mm中心からずらして接続しています。
このときに注意するのはワックスの回転位置関係です。マジックで印をつけて石枠部分にずらしたワックスがくるように装置で設定をします。
リングデザインは自由が丘のCayofさんです。
切削時間:3時間57分(Step0.013mm-Stepを0.02mmにすると2時間30分で切削することができます。Stepは各TPブロックごとに設定することができますので、見えない部分は粗めのStep、表面できれいな鋳造仕上がりにしたい場合には細かいStepを設定すると切削時間の短縮が可能です。)
※1 φ33mmのロッドワックスはリサイクルワックスを使用し、φ27mmのロッドワックス(ferris B1062:150mm)は7個を取ることができますのでワックス材料費はわずか80円です。
Φ33mmのリサイクルロッドワックスはオリジナルで型製作をし、旋盤などで外径を整えることによって製作することができます。10回程度の使用で高温溶着した周辺にクラックが入りますが、上下面を使うと約20回の切削(ハンダコテ接合)をすることができます。使用できなくなったワックスはベースワックスとしてリサイクルすることができます。