バングルのような大物切削をする場合には、切削前に刃物、チャック、スピンドル、クーラントノズルなどの位置を細かく検証をする必要があります。
画像は横幅60mm程度あるバングル切削ですが、ワックスのブロックからすべてを削り出すことは物理的に不可能でしたので、下記のような手順でワックスを加工しています。
1. PC画面上でワックス、スピンドル、ノズルが切削中にどの位置にあるかを時間をかけて検証。
2. ワックスブロックの大きさを決定。(オブジェクトからの内外オフセット5mm程度)
3. ワックスブロックの中心に33mmロッドを接合。
4. 33mmのロッドを大型旋盤に取り付け中心点にドリルでポイント切削。(33mmロッドに対するワックスブロックの中心出し)
5. 4の中心ポイントを基準に刃物構成全体がワックスに当たらないことを考慮してマジック等でケガキ。
6. 大型汎用フライスでワックスブロックの不要部分を切削。
7. ロッドワックスとブロックワックスの細部再接合。
8. ワックスチャックのほぼ中心にロッドワックスがくるよう確認しながら固定。
⇒実切削開始
となります。フライス盤をお持ちでない場合には、武蔵のジルコニアロータリーバーなどでワックスブロックを削ると良いかと思います。
このクラスの大物切削にかかる時間は、ピッチ0.013mmでおおよそ70時間です。
今回の切削ではかなり時間をかけて検証しましたが、スピンドル、ノズルが少し干渉してしまいました。
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