『釣りガール』の伊藤様からご依頼をいただきました、Amulet:お守りアクセサリーの原型を製作しています。
「1091:入れ食い」「鯛の鯛:開運、魔除け」をモチーフにした、お守りアクセサリーだそうです。釣りファン垂涎の一品。
・伊藤様のクラウドファンディングサイト https://faavo.jp/yamanashi/project/3429
・鯛の鯛とは https://macaro-ni.jp/33045
最終製品は925のペンダントとなる予定です。先端が鯛の鯛、そして1091:入れ食い。〇部分にはロゴが入るそうです。
こちらの製品の大きさは幅約5mm、全長20mm、厚み1.5mmの比較的小さいサイズです。壁面はストレートですので、作業手順的には外形面、内径面にもSwarfをきっちりとかけて仕上げたい箇所になります。ところが下の画像の通り、MiraBitが入らない箇所がたくさんあります。
結論を書いてしまいますと、内側面には一切Swarfを入れていません。製品の厚みは1.5mm(設計寸法1.6mm)ですので、Parallelで片面から半分+の刃物を入れますと、刃物使用深さは0.9mmです。(刃物先端は0.05mmは直線面ではありませんので+0.1mm)
MiraBitが0.9mmの深さで面を成形した場合、5度の斜面となりますので、厚み差は0.074mmです。この製品の大きさからこのテーパー厚を肉眼で判断することは不可能です。
下画像はほぼ10倍ですが、10倍でもテーパーを見ることはできません。ほぼ中心でParallelが交差しています。
次に外形面Swarfです。結論から書いてしまいますと、刃物が入らない箇所はSwarfを飛ばしています。黄色はチェックサーフェスです。刃物先端が干渉しそうな箇所は確実に逃げを作る必要があります。
物理的な刃物で切削するMira-6での原型製作では、原型の大きさを考慮しながらケースバイケースのツールパスを組み立てるといいと思います。
こういった隙間の小さい原型は光造形もいいのですが、面もののサポート処理、エッヂにできる積層段差を考えると今回の品物は切削に向いているかと思います。光造形とワックス切削は作成する原型に応じての使いわけがベストです。下画像のように光造形もきれいに仕上がります。DW028で造形しています。こちらは顕微鏡画像です。