ワックス5軸切削機 Mira-6を使用した切削では、あらかじめ製作された.3dm(Rhinoceros)、.stl等の拡張子の3Dデータが必要になります。
3DデータはRhinoceros5で開き、プラグインのJewelryCAMとRhinocerosの機能を使用してツールパスデザインを行います。
JewelryCAMは、ジュエリーだけでなくさまざまなオブジェクトのツールパスを作成することが可能です。1本の刃物と5種類の切削方法の組み合わせでツールパスを作成しますので、工業用のCAMと比べると非常にシンプルです。また、刃物を入れられるオブジェクトであれば、最大10cmを超えるワックス製品の切削を行うことも可能です。
昨日のブログにアップしたクロスは、10数ミリと小さく、フラット面のみで構成されていますのでツールパスは非常にシンプルなものになります。
1.表面切削、2.横面垂直切削、3.裏面切削、4.サポート面切削、5.サポート面切削、以上のわずか5ブロックのツールパスの組み合わせで成り立っています。
ツールパスの作成時間は10分程度、ワックスブロック作成時間が5分、Mira-6セッティング時間が5分、切削時間は37分でした。切削完了後に洗浄とワックス製品取り出しにかかる時間も5分程度ですので、約1時間でワックス切削にかかるすべての作業を完了することができます。
Mira-6の装置費用・ランニングコスト(対装置純キャッシュアウト指標※)は装置使用限界を7年と仮定し(実際には10年使用可能:PCと同等)、部品交換などの費用すべてを考えても税込月額5万円に満たないものです。原型を大量に作る目的には不向きな装置ですが、リング等で1日1本ないし2本、パーツで10個以下を目標に考えると、十分に回収が可能です。また、5軸切削品は原型としての付加価値もまだまだ高いものです。
※CAMオペレータ人件費、固定資産税、突発的な中規模破損は含んでおりません。