Mira-6で精密文字を切削してみました。赤矢印の漢字「耳」の真ん中のスペースは、一番狭いところで0.15mm幅です。左がMira-6、右がSLA式光造形装置です(右画像の光造形樹脂は画像に写りにくい色のため、マジックをつけています)。光造形装置では、こういった箇所のスペースは、ゴム取、鋳造まで考えると、最少でも0.3mm、できれば0.5mm程度ないと、右画像のように多少ダレが生じてしまいます。光造形機では、このあたりは全体デザインの中において妥協をしないといけない箇所になっています。
左はMira-6の切削ワックスです。先端径0.1mmの刃物で切削しますので、CAD設計上のサイズが0.1mm以上あれば、きれいに切削をすることができます。この赤矢印部分の切削深さは0.3mmとなっています。
設計深さは0.5mmなのですが、0.5mmの深さを切削するには0.179mmのMirabit刃物に依存する設計幅寸法が必要となるため、0.15mmの設計幅のこのモデルでは、刃物が設計幅を破壊しない深さで止まります。画像はクリックで2560pxでご覧いただけます。
こちらの画像が刃物の深さと、必要幅です。
0.1mm幅では0.05mm深さ
0.104mm幅で0.1mm深さ
0.179mm幅で0.5mm深さ
0.266mm幅で1mm深さ となります。黄色がMirabit刃物です。
0.1mm幅であっても、その距離が極端に長くない場合、ゴム取、そして鋳造工程を経てもCADデータの寸法が再現可能です。
下の画像は比較的大きい文字です。(画像左の光造形樹脂は画像に写りにくい色のため、マジックをつけています)画像はクリックで2560pxでご覧いただけます。
Mira-6のワックス切削では、これまで寸法的に妥協しなくてはならなかった部分も、妥協することなく再現することができます。
ただし、モデリングワックスを切り出す5軸切削機Mira-6は、「刃物が入るスペース」がないと切削することはできません。苦手な形状、製作できない形状も当然あります。光造形機、インクジェット式造形機、そしてMira-6を、製作する形状によって使い分けていくと良いかと思います。