カナダに本拠地を置くNSCNC Manufacturing社製のMira-6は、驚くべき精度を持ったモデリングワックス用の5軸切削装置です。
Mira-6を使用して日本で初カットを行ったお城のレリーフは、カナダの本サイトに掲載をされたり、Facebook、LinkedIn等で世界中のジュエラーに見ていただいたりしています。
日本には2017年の9月に初上陸をし、私どもの工場に設置をいたしました。その後は1か月ほど時間をかけて、装置の動作検証、CAMの操作性を含めた検証を行いました。
Rhinoceros5(6向けは開発中2018年現在)で動作するJewelryCAMは、CADとCAMが同じソフトウェア上で使用できますので、Rhinocerosユーザは高い利便性を感じるものです。CAMはこれまで非常に難しいものだとされていましたが、JewelryCAMには指輪等ツールパスを自動で生成するコマンドがあり、その障壁を小さくしています。ただし、自動パス作成では高品質な切削はできません。
また、JewelryCAMと名付けられていますが、ジュエリー以外の形状も製作可能です。精密なフィギュア、小さな置物、部品など、いろんなジャンルの製品にご使用いただけます。
ジュエリーデザイナー、ジュエリークリエーター、プロダクツクリエーター、短時間での原型生産を目的としていない製造現場や、作品作りを目指す現場においては大きな力を発揮すると考えています。
受渡価格(付属品、CAMソフトウェア、設置・講習費用込)は諸般の事情によって変動します。北米価格に日本までの輸送コスト、諸費用、また北米では行われていない設置費用、講習費用などが日本価格には含まれます。
正しい命令(正しいツールパスデザイン)を出すことによって、命令通りに精密なワックス切削を行う原型製作ロボットと考えると、破格かもしれません。また、保守費用などは一切かかることなく、短期間(1年)で交換が必要な部品などがありませんので、ランニングコストを非常に安く抑えることができます。装置は大切にご使用いただきますと8年から10年はご使用いただけます。(スピンドルベアリング、フィードベアリング周辺は4年前後で交換が必要になりますが、お客様のご自身で交換していただけます) 10年近く未交換の個体(Mira-1)も多数存在しており、相当ハードなご使用環境にないとレール付近部分の消耗はないようです。(2019年2月確認)
Mira-6で削られたワックスはハードワックスですので、手作業での修正、追加加工が非常に容易です。また、ワックスですので鋳造時に大きな問題を起こす可能性も小さいのも魅力です。必要であれば、常温硬化液ゴムでゴム型を製作することも可能です。
Mira-6は1日に大量の原型を製作する目的があるケースでは不向きかもしれません。美しい微細表面を創り出すために、切削時間は簡単なリングでも1時間から数時間かかります。大きく複雑なメッシュオブジェクト(10cm程度の微細模様フェザー)ですと70時間を超えることもあります。3軸のみで切削可能なレリーフ等ですと1時間から2時間で切削可能です。
Mira-6のご見学はいつでも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
2018年IJT(1月24日から27日:東京ビッグサイト)ツールエリアに出展予定。